第319回 大竹しのぶさん①

今週からのゲストは、女優の大竹しのぶさんです。

大竹さんは、映画『青春の門 筑豊編』(1975年) のヒロイン役で、
女優として本格的にデビュー。
菊田一夫演劇大賞を始め、数々の演劇賞を受賞され、
日本を代表する女優として活躍を続けていらっしゃいます。

現在は、PARCO劇場にて上演中の
舞台『ザ・ドクター』の東京公演に出演されていらっしゃいます。

▼パルコ・プロデュース2021 ザ・ドクター の作品ページ
https://stage.parco.jp/program/doctor


この作品は、2019年イギリスで初めて上演され、
英国で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞の
「Best New Play(作品賞)」「Best Actress(女優賞)」にノミネートされ、話題を集めた作品です。

実際に、大竹さんも2019年夏のロンドンで
人気の新作舞台『ザ・ドクター』を観劇されていました。

「一番前の席で、英語もそんなにわからないし、
 ジェンダー、人種差別、宗教など、様々な問題が出てきて
 難しかったんですけど....それでも、雰囲気があまりにも細やかな演出と
 役者さんの素晴らしさで、3時間近くあったのかな?あっという間でした。
 とにかく主演の同じ年くらいの女優さんのエネルギーと、
 かっこよさに魅せられて、カーテンコールでスタンディングして。
 わーって言ってたら、ウインクしてくれました〜(笑)」

1年後に、今回PARCO劇場で上演中の舞台『ザ・ドクター』の話が届き、
まさか、と驚きだったそう。


舞台『ザ・ドクター』は、大竹さん演じる主人公が所長を務める病院に、
人工中絶で敗血症になってしまった14歳の少女が救急車で運ばれるところから、話は始まります。
そこに、少女の両親に頼まれたというカトリック神父が現れるが、
主人公は、少女が死を予感することを恐れ、面会謝絶を告げます。
その後、典礼を受けることなく少女を命を落としてしまいます。

「宗教なのか、医療なのか。そこに、人種問題も出てきて...
 見ているうちに、現代人が抱える問題ががいっぱい出てきます。
 テレビ番組のディベートシーンでは、スリリングな会話があって、
 言葉によって、誰かの人生を壊すこともできるんだなっていう、
 ”今” のストーリーだな、って感じます。」

演出は、栗山民也さん。
細かな演出で、大竹さんも信頼を置く演出家です。

「このセリフで立って、このセリフで右手を伸ばして...とか、
 みんな頭がパツパツです(笑)
 でも、本で読んで難しいと思っても、栗山さんがつけてくださる演出で
 わかりやすい表現になって、本当に面白く、戯曲を豊かにしてくださってます。
 演者の皆がレベルの高い芝居をしなくちゃいけない作品なので、 
 すごい集中力で稽古して、席に戻るとみんなでため息してます(笑)
 私がロンドンで小さな劇場で体感したように、
 『この劇場で、今ここで起こっていること』として
 目の前で騒めき合う人間たちを観て、感じて欲しいと思っています。」


来週は、プライベートなお話も伺います!
お楽しみに。


M. Beautiful Mistakes / Maroon 5 Feat. Megan Thee Stallion