第324回 富田望生さん②

ゲストは先週に引き続き、女優の富田望生さん。



幼少期は、好奇心旺盛で怪我ばかりしていたという富田さん。
幼い頃の夢は、ピアノの先生だったそうですが、
女優へのきっかけを伺いました。

「きっかけは、震災のあと東京にきた時、母の携帯をいじっていたら、
 インターネットの養成所の広告を見て、”これだ”と。
 東京にはピアノを持って来れなかったので、何か夢中になれるものが欲しい
 と思っていた時に、”こんな世界があるんだ、よし、やろう”、と。
 母に内緒で応募して、書類が家に届いたら、”どうせ受からないから”
 と会場まで送り届けてくれました。
 よく許してくれたなぁと思います。やりたいことを尊重してくれる母です」

ピアノに代わる習い事のように、エキストラ出演や稽古に通い続け、
15歳で女優デビューした時に演じることを仕事にしたい、と思えたのだとか。


そんな女優の道を開くことになるデビューから、4年ほど前...
富田さんは、故郷:福島県いわき市におり、
東日本大震災の当日は、小学校の教室で被災されました。
大きな揺れと音は、今でも忘れられない、と富田さん。

「母と曽祖母と3人で暮らしていたんですが、
 母はホテルの支配人をしていたので、揺れの後もホテルに居ました。
 夜は、曽祖母と一緒に目の前のお宅にいました。
 ロウソクを1本立ててるんですけど、
 余震のたびに火事にならないように消して...母に会えたのは、
 次の日の朝方でした。迎えに来てくれて、そこから一緒でした。」

東日本大震災から、10年。
震災後に上京した富田さんは、人生の半分を東京で過ごしたことになります。
ですが、いまでも子供の頃を思い返すときは、
大好きな福島での事ばかりが浮かんでくるのだとか。

「あんなに幸せな場所で暮らせていたと思うと、ちょっとでも活気や元気、
 いわきの暖かさを紡いでいかないといけないな、と、
 離れていても常に思っています。」


最後に、富田さんの元気の源を伺うと、
『動く!』と答えてくださいました。その理由は...

「体を動かす、やりたいことに向かって動く...そんな動いてる時間が好きなんです。
 休む時間も大事で、それも好きです!動こうと思う事が元気になります。
 20歳超えて自立するようになってから、
 母の強さを改めて感じることが多くなったので、
 自分自身でも、役でも、母になるのが、今の目標です。」


2週にわたり、癒されるお声でのトークをありがとうございました!


M. to U / Bank Band With Salyu