第349回 前田有紀さん①

ゲストは、フラワーアーティストの前田有紀さん。

https://gui-flower.com
https://twitter.com/yukimaeda0117



前田さんは、1981年生まれ、神奈川県のご出身。
慶應義塾大学卒業後、
テレビ朝日のアナウンサーとして10年活躍され、2013年に退社。
その後、イギリス留学と、東京でのフラワーショップ勤務を経て、
2018年、株式会社スードリーを設立。
自身のフラワーブランド『gui』を立ち上げました。
さらに、昨年、東京・神宮前に「NUR flower」をオープンされ、
フラワーアーティストとして活躍の幅を広げていらっしゃいます。

森麻季とは、局は違えど、同期!
久しぶりの再会に盛り上がります。

「今は同じ日が1日もなくて、テレビ局のとも似てるかな、と思うけど。
 花屋を運営しているので、市場にお花を仕入れにいって
 それをいろんな場所にお届けしたり、というのを生活の軸にしながら
 子育てをしています。」

今回の収録の前も、朝5時ごろに市場に行ってこられたとか!

大田と世田谷に大きな市場があり、自宅の鎌倉を出発するのは、朝4時ごろ。
鮮やかで彩り豊かな市場に行くのが大好きだそうで、
”仕入れはいつまでも大好きなお仕事” と話してくださいました。

「選ぶ時は...目が合うんですよね。
 これを買おうとメモをして決めているんですけど、市場に行くと、
 ふと目があった、輝いたお花が絶対あって。それを手に取る瞬間がすごくワクワクします。
 想像していなかったけど、こんな可愛い子がいた、どんなブーケにしようとか
 どんなお花を届けよう、って考えるのが楽しいです!」

忙しい日々でも、花を作る上でトレンドやアートの感性を失わないように
スタッフと一緒に美術館に行く日を作っている前田さん。
他にも、農家さんを訪れるなど、
インプットを必ずできる時間を作り、スタッフと共有しているとのこと。

「ビジネスとしてのお仕事だけじゃなくて、第3の時間みたいな。
 一見何もならないけど、心がワクワクして、充実して、
 感覚や考え方が豊かになる気がして、大事にしたいな、と思っています。」



そんな前田さんの初の著書『染めの花フラワーデザイン図鑑』が発売されました。
1つ1つ繊細に染められた美しいお花が、美術品のように撮影され、掲載されています。

染めという技術は、花の世界では古くからある技法で
世界的にも有名になっています。
もともとは、切り花が水をどのように吸い上げるのか確認するために
行われたのが最初だと言われているそう。

「派手で、不自然に見えるという事で敬遠される方も多いんです。
 ただ、私たちが好奇心に沿って、少しずつ薄めにお花を染めていったところ
 水の通り道が綺麗に見えて...これまで、花の仕事をして、
 散々お花に向き合ってきたつもりだったんですけど
 こんなにお花をじーっと見つめたのは初めてで、感動しました。
 お花によって、通り道が違うというのが素敵で、染め花を通して
 すごく、お花が好きになったんです。
 なので、手に取った方がお花を好きになるきっかけの1つとして
 染めの花が存在したらいいなぁ、という思いで、作品を撮影しました。」

お花の種類だけでなく、その日の気温や湿度でも水を吸うスピードが変化するため、
濃く染めすぎないよう、理想の染め具合を求め
今まで以上に花を見つめた時間を過ごせて幸せだった、と制作期間を振り返りました。


さらに、昨年4月には、東京・神宮前に「NUR flower」をオープンされました。
ドイツ語で 『ONLY』という意味である『NUR』。
”オンリーワンの体験をお客様に”という思いが詰まっているのだとか。

来週も前田さんにお話伺います!


M. Flowers in The Window / Travis