第369回 鈴木香里武さん①

ゲストは、岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さん。

https://twitter.com/KaribuSuzuki

karibu_1.jpg

鈴木香里武さんは、1992年 東京生まれ。
学習院大学大学院 人文科学研究科の博士前期課程修了し、
現在は、北里大学大学院 海洋生命科学研究科 博士後期課程に在学。
稚魚の生活史を研究されいらっしゃいます。
また、『岸壁幼魚採集家』としてテレビ出演や執筆活動など、

多岐にわたり活躍されていらっしゃいます。


魚の名前である ”スズキ"、海域の ”カリブ” が組み合わさっている、

”鈴木香里武”というのは、本名! しかも、3月3日生まれの魚座!
海に携わるべくして生まれた...そんな名前と生年月日です。


『岸壁幼魚採集家』の ”幼魚”とは、稚魚の中でも、

少し泳ぐ力がある”小学生くらいの稚魚” のことを呼ぶそう。

「漁港に、たも網を持って出かけていきまして、

 海に出るわけでも、船に乗るわけでもなく、漁港の上から海面をずっと這いつくばって見ます。

 すると、足元の海に、人知れず幼魚パラダイスが広がっています。
 そんな足元にいる小さな幼魚たちをすくって、観察する、という、

 ”壮大な金魚すくい”みたいなことをやっています。」

大きさが数ミリ~数センチ程度で、見つけるだけでも至難の技!
0歳から漁港に通い詰め、”海の中の違和感”を探しつづけた香里武さんは、
今では難なく採集できるようになっているとか。


現在は、東京から車で行ける範囲で
神奈川県・三浦半島、千葉県・房総半島などに通われてそうですが、
南側や日本海側にいくと、また違った幼魚に出会えるそう。


今日の選曲は、作詞や魚介類監修、歌唱などで

香里武さんも参加されている音楽ユニット ”ほっけ” の楽曲でした。

karibu_1_2.jpg

今年7月には、香里武さんが館長を務める幼魚水族館が、静岡県清水町にOPENしました。
収録には、幼魚水族館のスタッフユニフォームでお越しくださいました。

▼幼魚水族館 公式webサイト
https://yo-sui.com

「幼少期、小学生くらいからの1番の夢が、自分の水族館を作ることだったんです。
 その頃から愛してやまなかったのが、幼魚という存在だったので、
 幼魚をスターにするべく!水族館を作ることができて...感無量です。」

世界に幼魚水族館が今までなかったか...その理由は、
繊細な温度管理、生きているプランクトンのみが餌...など幼魚の飼育の難しさにもあります。
さらに、”小さく映えない” 幼魚に注目されることはありませんでした。

「幼魚水族館では、小さくて見えにくい幼魚をどう見せたら、可愛らしさや面白さが
 みなさんに伝わるか、考えましたね。
 水槽が65ありまして、大体100種類、150匹くらいの幼魚が泳いでいます。
 館内入ってすぐ、漁港のコーナーで駿河湾の今を再現しています。
 今は秋~冬の海で、あえて、海洋ゴミも一緒に展示しています。
 見た目キレイではありませんが、それもリアルな姿です。年々ゴミが増えてるんです。
 そのゴミも単体で見れば環境に悪いものと、興味をもたれないですが、

 ゴミの周りには、幼魚が身を隠しているんです。生態系も一緒に見ることで、

 ちょっとでも、海洋ゴミ問題に意識を向けてもらえるきっかけにもなれば、と思っています。」

さらに、小さな身体の中で、

進化過程で生み出された”生き抜く術” を持ったかっこいい生き様も見てほしい、とも。

来週も、鈴木香里武さんにお話うかがいます!


M.  ようぎょ  /  水産系ド演歌ユニット(ほっけ)