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春の星座

春の星座 春の星・星座

ソラジオトーク from OKAYAMAへようこそ
解説は、ブライアン・メイ博士をこよなく愛する 宙の学校 校長 かわいじゅんこさん

今回のテーマは、「春の星空・星座」
春は、夜も少しずつ暖かくなってきて、真冬の星空観察より少し長く外にいられますよね。
そんな、春の星空を楽しむための星空案内です。

今頃の夜(3月末)の21時くらいの南の空には
春を代表する星座たちが姿を現しています。
そして、その空をぐるっと見渡すと、春にはたくさんの目印があって、星座が探しやすいのです。
一つは、「春の大三角」そして、もう一つは?
というのが、今回の問題でした。

答えの前に、探していきましょう!

まず、方角を確認して北を向きます。
東よりの空に大きなひしゃくの形・北斗七星が見つかります。
このひしゃくは柄の部分がまっすぐではありませんよね。カーブを描いています。
このカーブに沿って線をのばしていくと一つ明るく輝く黄色い星にぶつかります。
この星は、うしかい座の1等星「アルクトゥールス」。
日本では、「麦星」と呼ばれていたこともあります。
実った麦のような色のアルクトゥールスは、「麦秋・麦焼」と呼ばれる麦の収穫時期に日が沈むと
南の空高くに輝いています。
黄金に輝く麦畑と麦星。みてみたいですよね。

さらにカーブをのばすと今度は白い星が。
これは、おとめ座の1等星「スピカ」です。
おとめ座は、誕生日の星座ですね。
自分の星座を見つけられると嬉しいものです。

さらにこのままカーブをのばしていくと、4つの星が台形を作っています。
この台形、3等星ばかりですが、周りに明るい星がないからか、不思議と目立ちます。
ここは、からす座です。

このながーーく続いたこの曲線を「春の大曲線」です。

今度は、南の空に目を向けると、特に目立つのは、
はてなマークを左右鏡面反転したような形に並ぶ星たち。
「ハテナ」ではなく、「ナハテ」マークなんて言ったりしてます。
ここは、しし座の頭から胸にかけての星です。
一番下の点の部分が1等星の「レグルス」
そこから東(左)に向かって長四角の胴体とその先の三角形がしっぽになります。
このしっぽの先の2等星は、「デネボラ」。
春の大曲線で見つけた「アルクトゥールス」「スピカ」「デネボラ」で
「春の大三角」になります。

この三角形をデネボラとアルクトゥールスを結んだ線で線対称にするとひし形ができ
これが「春のダイヤモンド」トランプのダイヤの形です。
そのとき、てっぺんにあたる星が「コル・カロリ」という「りょうけん座」の3等星。
チャールズの心臓という意味の星で、英国王のチャールズ1世に捧げられたという説が有力です。
また、この星は、白と紫の星の二重星で、小さな望遠鏡でも楽しめる星なので、ぜひ探してみてください。

さて、春の星座の一つ「かに座」を探してみましょう。
暗い星で構成されている星座なので、なかなか見つけにくいですが、明るい星を頼りに探します。

先ほどみつけた「しし座」。そのナハテマークを「ししの大鎌」と言います。
これは、西洋の草刈り鎌に似ていることから由来。
獅子は、西つまり右を向いています。
その視線の先に二つの明るい星があります。
「ふたご座」の「カストル」「ポルックス」です。
下の1等星ポルックスとしし座の胸の部分にあるレグルスを結んで、ちょうど真ん中くらいに
小さな台形。ここがかに座の甲羅部分があります。
そして、その甲羅の中には、「プレセペ星団」という星の集まりがあります。
双眼鏡でも楽しめますので、お持ちの方はぜひ見てみてください。
「プレセペ星団」かにの甲羅の中にあるので、「かにみそ星団」と勝手に呼んでいます。
月のない夜、暗い場所であれば、肉眼でも見ることができます。

しし座とかに座を見つけられたら、今度は、この二つの下にある星座を見つけましょう。
ここには、一番大きな星座が横たわっています。
「うみへび座」です。
かにみそプレセペ星団の下には3等星2個と小さい星がいくつか見えますが、その辺りがうみへびの頭。
さらに下にはオレンジ色の2等星、うみへびの心臓にあたり「アルファルド」といいます。
ここまで、見つけることができますが、夜の21時この時間は、まだうみへびの全身は見えていません。
夜の23時くらいにようやく全身が見えるほどの大きさなのです。
うみへび座は88星座の中で一番大きい星座です。
全て(全身)が見えてきたとき、頭は南西、しっぽの先は南東という大きさ。

これまで紹介したしし座。かに座、うみへび座には、共通点があります。

それは、みんな「ヘルクレス」に退治されてしまった化け物。ということ。

その中の一つのお話。

うみへび座というのは、「ヒドラ」といいます。
ヒドラは元々、9つの頭を持つ化け物で、ヒドラを退治しろ!とヘルクレスは命令を受けます。

ところが…。

ヒドラの首を切ると、そこから2本首がはえてくる。
どんどん増えていってしまう。恐ろしい化け物。

そこで、退治方法を考えました。

もう一人甥っ子を連れてきて
たいまつを持たせて、「首を切ったら、すぐに焼き焦がせ!」

首を切っては、焼き。切っては、焼き…。どんどん首が減っていきます。

その様子を陰から見ていたある生き物が…。

それは、ヒドラの親友・大きなカニ「カルキノス」

カルキノスは、大親友のヒドラがどんどん首が減っていくのをみて
居ても立っても居られない。
カルキノス「大変だ!ヒドラを助けないと!!この大きなハサミで!」
ヒドラの元へ。

ヘルクレスの足元に来た時「プチッ!」
踏まれてしまいました。

勇気あるカルキノスの行動が称えられ星座になりました。

そのあと、ヒドラも退治されてしまいました。
ヒドラも星座になりました。

二人仲良く星座では、近くに並んでいます。
どこにいるか確かめてみてください。

そして、春の夜空は、「宇宙の窓」とも呼ばれています。
これは、なぜなのか?
私たちが住んでいる「天の川銀河」の話からしていきたいと思います。
私たちの銀河系(天の川銀河)は、形としては、どら焼きに似ています。
丸いカステラの間にあんこが挟まってます。
どちらかというと、真ん中が盛り上がっていて、この形が銀河系だと思ってください。
私たちのいる太陽系・地球があるのは、中心からすると少し端っこの方。
この端っこの方から中心(あんこ)部分をみたとき
星がたくさんみることができます。
そこが、夏の天の川になります。

ということは、反対をみるとあんこの薄い部分が冬の天の川になります。

横からどら焼きをみたとすると
中心部分(あんこ)に向かってみると夏の天の川・反対側が冬の天の川

かわ(カステラ)部分が上下二枚重なってところ・ほとんどあんこがないところの部分を見た時が
春と秋になります。
春は、遠くの銀河がたくさん見える時期、「宇宙の窓」と呼ばれるわけです。
とくに、しし座のしっぽのあたりやおとめ座の肩のあたりには
「おとめ座銀河団」「おとめ座超銀河団」というのがあり、たくさんの銀河があります。
ただし、肉眼でこの銀河をみることはできませんが、でもそこには、多くの宇宙が広がっている。
そして、つながっている。

ちなみに、天の川銀河の直径は「約10万光年」です。
おとめ座超銀河団の直径は「2億光年」です。
その中に、およそ100の銀河群と銀河団があり、想像するだけでも果てしない。

そんな想像力を働かせながら、春の星座・星を楽しんでみてください。

解説は、
ブライアン・メイ博士に会ってきた(コンサートで)
宙の学校 校長 かわいじゅんこさんでした。