水道橋博士、参院選出馬を振り返る「そのまんま東さんを(端から)見ていたから…」

TOKYO FMの音声サービス「AuDee(オーディー)」で配信中の、放送作家兼ラジオパーソナリティの植竹公和が、自身のレーダーにかかった文化人を招いて送るスペシャルトーク番組「歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ」。今回のお客様は、水道橋博士さん。選挙出馬までに至る裏話や師匠のビートたけしさんからの労いについて語ってくれました。

▶▶「植竹公和のアカシック・ラジオ」」音声版


(左から)水道橋博士さん、パーソナリティの植竹公和


◆登山部に入っていきなりエベレストに登るようなもの

水道橋:そもそもは、まず松井(一郎)元大阪市長に訴えられたことで、こういう問題(スラップ訴訟)が今起きている、という事実の発信をあちらこちらで展開していたんです。SNSにも書くし抗議する映画も作ろうとしていたんです。

その流れのなかで、れいわ新選組の山本太郎代表に「(スラップ訴訟に対する)こういう法律を作ってください」と手を挙げたのが参議院選挙(議員立候補)の発端です。

植竹:それで代表から出てみないかと?

水道橋:その日にね。それもアドリブで返されたんだと思います。

植竹:いままでの博士の発言を見ていると、議員になるなんて1ミリも考えていなかったでしょう?

水道橋:考えていないですね。タレント議員に対して否定的でしたから。比例代表だと供託金として600万円が必要になるんです。そんなお金もないし「無理だ」とは言ったんですけど「それは党が出しますから」という風に切り返されてしまって。

当時、この裁判をやったおかげでレギュラーもほとんどなかったんです。ほぼなかったというか、ラジオのレギュラーもこの裁判中は「ちょっと降りてもらいます」となって。

植竹:そういうことになるんだ。痛手だなあ。

水道橋:だからスラップ裁判は問題なんです。芸能人なんかは勝手に裁判を起こされて、いま係争中だと「番組に出ないでください」ということになるから。

植竹:家族に話はしたんでしょ?

水道橋:その日に家族に話をしました。そのまんま東さんを(端から)見ていたから、テレビタレントが急に選挙に出るのがいかに難しいか、スケジュールを調整したりするのがいかに難しいかを知っているから。

ただ当時、裁判のおかげでレギュラー仕事がなかったから、選挙に出やすいと言えば出やすいと。あとは供託金も(れいわ新選組に)払ってもらうということもあったし。

比例代表にするか、選挙区にするかというのもあって、勝てる可能性がある比例代表で僕が入ることになったんです。まあでも僕は落選するって正直思っていました。

植竹:ああそうなの?

水道橋:それはそう思いますよ(笑)。登山部に入っていきなりエベレストに登るようなものですよ。

植竹:ははは(笑)。

水道橋:だって1ヵ月もないんですよ、選挙の本番まで。

植竹:そのたとえは確かに正しいね。

◆当選後は苦労の連続

植竹:それでいざ(議員に)なると、いきなりいろいろな会に出席しないとダメなんでしょう?

水道橋:僕も全部は把握していなかったけど、常設の委員会(常任委員会)は17あるのかな? そのあと特別委員会というのはそのときどきにおいて増えたり減ったりしますけど、国会のなかで30ぐらいの委員会があるんです。

新人議員はとにかく「1つの委員会に所属する」という決まりがあるんです。だけど、れいわ新選組は弱小政党だから1人でいくつもの委員会に入らなきゃいけなかったんです。

植竹:これが参議院内閣委員会、行政監視委員会、政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会にいきなり所属。これ、無理でしょ? (笑)。

水道橋:基本的に僕は委員会の質問が無理でした。内閣委員会というのは、総理をはじめ大臣、副大臣を含めた全員が出席する、委員会のなかでも重い委員会があるんです。そこのデビューが9月か10月にあって。それも委員会がいつ始まるかわからないんですよ。そんなの新人議員にとっては怖いでしょ?

弱小政党にも必ず質問時間を設けるというルールがあって、僕もこのなかで必ず質問しなきゃいけなくて、(順番は)最後なんですけど、質問時間が大体30分ぐらいあるんです。演説なんかでは「消費税を廃止したほうがいい」というような理屈や理論を大衆に向けておこなうだけで、要は大まかな方向性を問うているだけですよね。これはいわば誰にでもできる。

だけど法律の専門家が集まって、事前に自分の作った質問を各省庁に提出しなきゃいけないんです。各省庁はそのために「大臣はこういう風に答える」みたいなものを全部作成するわけです。だから事前にレクチャーを受けるわけです。

植竹:それは官僚の方々が? 与党も野党も同じように手伝ってくれるんですよね?

水道橋:もちろんそうだけど、動かしているのは与党だから、下手な答えを官僚は出したくはないじゃないですか。「インボイス制度はやめたほうがいいんじゃないですか、総理」という質問を作っているとするじゃないですか。

すると「その質問に至るまで、どれだけ長いあいだの審議があったのか知っていますか?」という話になって、500ページぐらいコピーされた議事録を「これを読んで、この過程を経てこの結論になっています」と説明されるわけです。

その議事録の過程の文脈を読んでいく経験がないし、ましてや法律家でも官僚でもないし。僕のような素人がやろうとしても、ほとんど無理だった。普通は政策秘書が大体そういうものを作るんだけど、政策秘書がなかなか決まらなかったんですよ。それも敗因のひとつでした。

◆殿からの呼び出しに水道橋博士は…

植竹:(うつ病から)体がよくなって、殿(ビートたけし)のところに行ったんでしょ?

水道橋:行きました。殿は一切病気や選挙の話に触れなかったんですよね。

植竹:なんの話をしたの?

水道橋:昔の笑い話ですよね。僕らが知っている昔話をしてゲラゲラ笑って帰るという。

植竹:アドバイスみたいなことは?

水道橋:なかったです。合わせる顔もないから断っていたんですけど「一度顔を出せ」と。本当に笑い話をしただけでした。そういう殿の思いやりなんですかね、わからないですけど、俺が笑うのを確認していたのかもしれないですね。だって笑い話に無反応になると、もうね……。

植竹:それはヤバいものな。

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「植竹公和のアカシック・ラジオ」音声版
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<番組概要>
番組名:歌う放送作家 植竹公和のアカシック・ラジオ
AuDee、Spotifyで配信中
配信日時:隔週金曜10:00〜
パーソナリティ:植竹公和

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