「アイデアの良し悪し」を数値化!? VISITS Technologies株式会社 CEO/Founder・松本勝「アイデアの価値をテクノロジーによって数値化したのは革新的」

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYOFMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。2月10日(土)の放送は、VISITS Technologies株式会社 CEO/Founderの松本勝(まつもと・まさる)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)松本勝さん、笹川友里



松本さんは、東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマンサックスに入社。 株式トレーダー、金利デリバティブトレーダーなどを経て、2010年に人工知能を用いた投資ファンドを設立。2013年に立ち上げた大学生向けサービス「キャリア大学」は、日本最大規模にまでに成長。そして、2014年にVISITS Technologiesを設立しました。

◆AI技術、データを駆使して“革新的なアイデア”を創出

はじめに、VISITS Technologiesの主な業務内容について伺うと、松本さんは「企業の新規サービスを作るご支援をしたり、イノベーションを創出し続ける会社に変わるためにはどうすれば良いのか、組織変革というところのノウハウやテクノロジーの提供などをおこなっています」と説明。

例えば、新たなサービスを作っていくうえで、「“どんなアイデアが良いか”というのは(僕たちにも)分からないので、AI技術を用いて、この案は統計的にいい結果がでる可能性が高いかどうか、誰がクリエイティブで良い発言をした可能性が高いかなど、そういった目に見えない“アイデアの重要度”や“アイデア発想力・課題解決力”が全部わかるような仕組みをデータ分析で出しています」と話します。

これについて、笹川が「“アイデアを数値化する”って、人によって感覚も違うので、難しいのではないかと思ってしまうのですが」と懸念点を挙げます。これに松本さんは、「僕たち自身が良いアイデアの基準を持っているわけではなく、どのような課題やニーズに人々が共感しやすいのかをデータ収集して、その特徴をAIで分析することで、“人はこんなときに欲望・ニーズを持つ可能性が高く、こういう形で解決すると実現可能性が高い”という組み合わせ論を計算しています」と解説。

そのため、「アイデアに対する人の反応を分析して“良いアイデアとは何か”を導き出している感じです」と言及します。

◆ビジネス展開に必要な“共感を最適化”を提供

国内外に目を向けてみると、AI領域のさまざまなプロダクトが世に出ていますが、松本さんいわく、VISITS Technologiesが手がけているような「AI×アイデア」を掛け合わせたものはあまりないと言います。「私たちのようにデータを分析しながら“こういったときに良いアイデアが生まれやすい”ということを、初めてテクノロジーという数式で表したのは、とても革新的」とのこと。

その1つとして、同社が開発した独自の特許技術、合意形成アルゴリズム“CI(コンセンサス・インテリジェンス)”を挙げ、「人工知能がAIであるのに対して『CI』と名付けているのですが、人工知能とちょっと違うのは“人が何に共感するか”という確率論を分析しているので、人が最も共感して納得する意見を導き出していく技術なんです」と解説します。

例えば、経営者が「我が社はこういう方針でいくぞ!」と企業戦略やビジョンを語ったとしても、それが正しいかどうかは、その時点では誰にも分かりません。「結局、人が“ついていきたい!”と思うのは(方針に)いかに共感して納得するか。つまり、人々を巻き込んで世の中を動かすのは、正解データではなくて共感なのです」と声を大にします。

この松本さんの話に、笹川は「それって、今まで(結果が出るまでに)すごく時間やお金がかかるものでしたけど、(アイデアの段階で)それをいったんCIで出してもらえるのは、ビジネスの背中を押してくれることじゃないでしょうか」と感銘を受けます。

松本さんも、「社長が1人でいくら言っても、実際に動くのは社員ですから。社員に付いてきてもらうことで(会社も)変わっていくわけですが、“現状維持バイアス”というものがあって、現場の人のなかには、今の仕事を変えたくない人もいます。

そうなると、いかに社員に共感してもらい、同じ船に乗ってついてきてくれるか。そのための心を動かすメッセージ性、ストーリーづくり、といったものを、データをもとに経営者に提供して、一緒に会社を動かしていくといったことをやっています」と話していました。

この日はほかにも、VISITS Technologiesがサービス展開している、意見を収集・分析し、組織の変革サイクルを高速に回す「VISITS forms」、さらには目には見えない人・組織の創造力や多様性など人的資本を可視化する「DXクラウド(デザイン思考テスト)」についても語っていただきました。

次回2月17日(土)の放送も、引き続き松本さんをゲストに迎えてお届けします。松本さんのキャリアヒストリーについてなど、貴重な話が聴けるかも!?

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2月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年2月18日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里

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