TOKYO FM開局50周年記念番組 True Stories
10月18日放送回 アーサー・ビナードさん 1週目
音楽と言葉を電波に乗せて、東京の空へ。
お話を伺ったのは、詩人のアーサー・ビナードさんです。
アーサーさんが日本にやってきたのは、大学卒業後すぐ、1990年のことでした。
住む場所どころか、泊まる場所すら決まっていなかった中、大学の先輩に連絡すると池袋をすすめられます。成田空港からリムジンバスで到着したのがサンシャインシティ。縁もゆかりもない池袋。拠りどころになったのは、家賃3万5000円の風呂なしアパートでした。
それから30年が経った、ある秋雨の日。
サンシャイン60の展望台に上りました。白い靄に包まれる東京の街のところどころに、黒々とした森が浮き上がります。

「あれが雑司が谷墓地、あっちは鬼子母神。日本にやってきたとき、東京の緑は墓地やお寺、神社と結びついていることを実感したよね。でも、僕が来た当時はもう少し一軒家があって、小さいながら庭の緑もあったと思う。」
2020年の東京を眼下に観ていたアーサーさん。やがて1990年の東京の風景、そして当時の心模様もみえてきたようです。モータウンというR&Bの世界的なレーベルが生まれ、ブルースや、ジャズ、ロックと、様々な音楽の息づく街・デトロイトで育ったアーサーさんにとって、気になったのは日本の音楽でした。滞在経験を持つ友人に「日本で聴く価値のあるロックは?」とたずねると、返ってきたこたえは「RCサクセション、ザ・ブルーハーツ、サザンオールスターズ」という3つのバンドでした。アーサーさんは彼らの音楽で、“本物の日本語”に出会ったといいます。

そして再び地上へ。
サンシャイン60の足元にある小さな緑、東池袋中央公園にやってきました。片隅にある小さな石碑は、この場所が日本の戦後史に欠くことができない場所であることを言葉少なに語ります。詩人、アーサー・ビナードはこの石碑に何を感じたのでしょうか? そして表現者たちがつどう池袋で、アーサーさんの一歩は踏み出されることになります。
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また、無料音声アプリ『AuDee』でも聞くことができます。ぜひ、チェックして下さい。
お送りした曲は
『New Kid In Town/ EAGLES』
『Twenty Flght Rock/ Eddie Cochran』
『Le Pollen (花粉)/ Pierre Barouh』
『サマータイム・ブルース/ RCサクセション』
『イメージ/ THE BLUE HEARTS』
『勝手にシンドバッド/ サザンオールスターズ』
『What a wonderful world/ Louis Armstrong』
11月1日放送、アーサー・ビナードさんとの池袋散歩、後篇はさらなるディープな池袋の街へ、そして日本語の魔力に迷い込みます。