元なでしこジャパン澤穂希「私たちのときよりも本当に技術レベルはすごく高い」現なでしこジャパンの“強み”を分析

スポーツジャーナリスト・中西哲生と横山ルリカがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」。開催前から番組でも注目していたオーストラリア・ニュージーランドでの「FIFA女子ワールドカップ」(以下:W杯)が、いよいよ開幕しました。「なでしこジャパン めざせ!世界No.1 supported by MS&AD インシュアランスグループ」のコーナーでは、注目の大会をより楽しむため、さまざまなサッカー関係者をゲストにお迎えしてお届け!

7月21日(金)の放送は、日本が世界一に輝いた12年前のW杯ドイツ大会で、キャプテンを務めた澤穂希(さわ・ほまれ)さんがゲストに登場。優勝を勝ち取った当時の振り返りや、現在のなでしこジャパンについて語りました。


澤穂希さん ©中山達也


1978年生まれ、東京都出身の澤さんは、小学校に上がる前からサッカーに興味を持ち始め、中学では読売サッカークラブ女子「ベレーザ」(現:日テレ・東京ヴェルディベレーザ)に所属。その後はアメリカ女子サッカーリーグ(WUSA)などでも活躍し、2015年いっぱいで現役を引退しました。代表経験は15歳での初招集後、女子代表としては最多となる205試合に出場し、83得点を挙げています。

◆12年前の優勝を振り返って…

なでしこジャパンが初優勝を果たした2011年のW杯ドイツ大会から12年が経過しました。当時は東日本大震災から間もないタイミングだったこともあり、中西が「代表の皆さんは、どのような気持ちで試合に臨んでいたのでしょうか?」と質問を投げます。

これに澤さんは、「震災もあって、サッカーができるメンタルじゃない選手も多かったなかで、“自分たちにいまできることは何か”を考えたときに“目の前にあることを頑張ろう!”と。『優勝』を目指してチーム一丸となった大会でした」と振り返ります。

大会では序盤、グループリーグの3戦目を落として厳しい状況に。しかし、決勝トーナメント・準々決勝で開催国でもあったドイツに勝利したあたりから、日本国内でもなでしこジャパンに注目する人が増えていきました。

当時の注目度の変化について伺うと、「現在のように、情報がすぐに入って来ないのですぐには分かりませんでしたが、勝ち上がるにつれて日本から来た記者の方が増えていき、その方々が(日本から)持ってきた新聞や雑誌で反響の大きさを知って、『今(日本で)すごいことになっているよ!』っていうのを聞いて、(盛り上がりに)ビックリしましたね」と澤さん。

というのも、出国時には記者も数える程度しかいなかったため、「(大会前は)私たちが優勝するなんて、誰も思っていなかったと思います」と笑います。

そして、当時“優勝大本命”といわれていたアメリカとの決勝戦では、PK戦までもつれた戦いとなりましたが、見事勝利してなでしこジャパンが初優勝を果たしました。

そこで中西が「あのときのチームの原動力となったものは何でしたか?」と聞くと、「とにかく私たちはチャレンジャーだったので、(決勝戦が)楽しみでしかなかった」と回顧。

また、この放送前日にも当時の映像を見返したそうで、「12年前の出来事なのに、いろんな思いがこみ上げてきて、うるうるしちゃって……(笑)。でもやっぱり、佐々木(則夫)監督もずっと笑顔で『楽しくやれ』という感じで送り出してくれましたし、どちらかというとアメリカ代表のほうがプレッシャーを感じているようで、表情が硬かったように感じました」と話します。

そして、決勝戦の延長後半で、2対1のビハインドから宮間あやさんからのコーナーキックを完璧に合わせた澤さんの劇的な同点ゴールについても振り返ってもらうことに。

「残り数分しかないなかで“よく決められたな”っていう思いと、宮間の(コーナーキックからの)ボールがすごいなと。私が宮間に『ニアに行くね』と伝えていたこともありますが、(私の動きを)最後までちゃんと見て、そこに“点で合わせてくれた”というか。本当に素晴らしいアシストでした」と振り返ると、中西も「宮間選手のキックと澤さんが押し込んだあのゴールは、今でも日本全国の方の目に焼き付いていると思いますよ」と興奮気味に語ります。

◆現なでしこジャパンの“強み”とは?

続いて、現在のなでしこジャパンの話題に。7月14日(金)に開催された国内最後の国際親善試合「MS&ADカップ2023」で、日本はパナマを相手に「5-0」と快勝しました。

この試合を見た澤さんは、「日本が終始ボールを支配していたのもありますが、攻撃パターンも今までにないくらいたくさん見られましたし、いろんな選手が得点することができたので良かった」と称える一方、「なかなか(相手に)攻められる形がなかった」と守備の機会がなかったことを指摘し、「本番(W杯)では守備もちゃんとできていると良いなと思います」と語ります。

ここで中西が、今のなでしこジャパンの“強み”について伺うと、澤さんは「私たちのときよりも本当に技術のレベルはすごく高いですし、(試合を)見ていても上手だなと思う。リズムもバランスもうまく取れているので、細かな技術は大きな強みだと思います」と分析。

さらに、「32カ国のなかで一番のライバルになりそうな国はどこですか?」との問いには、「W杯に出てくるチームはどこも強いので、1チームには決められないです。大きな大会になればなるほど、どこのチームが勝つかはわからない」と言及します。

最後にW杯を戦う後輩たちに向けて、「“試合に勝つ”というのはなかなか簡単なことではないと思いますが、今までやってきたことのすべてをこの大会に全力でぶつけて欲しいと思います。皆さんの勝利を願っています!」とエールを送りました。



現在開催中の「FIFA女子ワールドカップ」で、なでしこジャパンはグループステージ初戦のザンビアに5-0、2戦目のコスタリカには2-0で2連勝! さらには、最終戦を待たずして2位以上が確定し、決勝トーナメント進出を決めました!

なお、スペインと対戦するグループステージ最終戦は31日(月)午後4時(日本時間)におこなわれます。引き続き、なでしこジャパンの活躍に注目していきましょう!

----------------------------------------------------
7月21日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)

聴取期限 2023年7月29日(土) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:TOKYO TEPPAN FRIDAY
放送日時:毎週金曜15:00-17:00
パーソナリティ:中西哲生・横山ルリカ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/teppan/

コンテンツ一覧

初回のゲストは、佐々木則夫さんです! 音声

初回のゲストは、佐々木則夫さんです!

第7回目のゲストは、岩清水梓選手! 音声

第7回目のゲストは、岩清水梓選手!

第6回目のゲストは、澤穂希さん! 音声

第6回目のゲストは、澤穂希さん!

第5回目のゲストは、南萌華選手! 音声

第5回目のゲストは、南萌華選手!

第4回目のゲストは、池田太さん! 音声

第4回目のゲストは、池田太さん!

第3回目のゲストは、髙田春奈さん! 音声

第3回目のゲストは、髙田春奈さん!

第2回目のゲストは、鮫島彩選手! 音声

第2回目のゲストは、鮫島彩選手!

記念すべき第1回のゲストは、佐々木則夫さん! 音声

記念すべき第1回のゲストは、佐々木則夫さん!

元なでしこジャパン岩清水梓“W杯”を戦う現なでしこジャパンにエール「“未来”に向けて結果を出して欲しい」 記事

元なでしこジャパン岩清水梓“W杯”を戦う現なでしこジャパンにエール「“未来”に向けて結果を出して欲しい」

元なでしこジャパン澤穂希「私たちのときよりも本当に技術レベルはすごく高い」現なでしこジャパンの“強み”を分析 記事

元なでしこジャパン澤穂希「私たちのときよりも本当に技術レベルはすごく高い」現なでしこジャパンの“強み”を分析

「女子ワールドカップ」に向けて…なでしこジャパン南萌華「海外で身に付けた力を最大限に発揮したい」 記事

「女子ワールドカップ」に向けて…なでしこジャパン南萌華「海外で身に付けた力を最大限に発揮したい」

「FIFA女子ワールドカップ」7月に開幕! 池田太監督が語る“なでしこジャパンの強み”とは? 記事

「FIFA女子ワールドカップ」7月に開幕! 池田太監督が語る“なでしこジャパンの強み”とは?

「なでしこジャパン」を再び世界一に…女子サッカーを“プロ化”した理由とは?「WEリーグ」2代目チェアが解説! 記事

「なでしこジャパン」を再び世界一に…女子サッカーを“プロ化”した理由とは?「WEリーグ」2代目チェアが解説!

元なでしこジャパン鮫島彩「内容も結果も完敗でした」2011年“W杯”優勝の勝因とは? 記事

元なでしこジャパン鮫島彩「内容も結果も完敗でした」2011年“W杯”優勝の勝因とは?

「FIFA女子ワールドカップ」注目ポイントは“スペイン戦”!? なでしこジャパン元監督・佐々木則夫が解説! 記事

「FIFA女子ワールドカップ」注目ポイントは“スペイン戦”!? なでしこジャパン元監督・佐々木則夫が解説!