そば業態のポテンシャルは…?「ゆで太郎」が郊外型を広げる理由

『お店ラジオ』にようこそ!
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、先週に引き続き、株式会社ゆで太郎システムの代表取締役社長、池田智昭さんでした。

0305_00017.jpg


先週、「ゆで太郎」は信越食品株式会社と株式会社ゆで太郎システムの2社で運営しており、池田さんが手がける「ゆで太郎」では“町の蕎麦屋”をめざしている、といったお話がありました。
では、そもそも蕎麦屋にしようと思った理由はなんだったのでしょうか。
今回は、主に蕎麦業態のポテンシャルについて深掘り!

池田さん曰く、「なんで蕎麦屋かというと、蕎麦屋が一番遅れていたんですよ」とのこと。
寿司屋で言うと回転寿司、アパレルと言うとUNIQLOのようなイノベーションが、蕎麦屋ではなかったそうです。
その理由を池田さんは、このように語っていました。
「多分、(そのままで)儲かっていたから。あんな高い値段で売れるんだもんねぇ(笑)」
蕎麦屋を始めようと思った当初、「原価が案外低いんだな」と、驚いたと言います。
「町の蕎麦屋って、お昼に営業して、お昼休みとって、夕方にちょっとやって閉めちゃう。いつ食べたらいいんだ、と。私らは車で営業している商売だったので、外でご飯を食べたかったけど、そういう時間帯に入れるのはラーメン屋と牛丼屋しかなくって。あと、量が少ない、高いなど。だから、そうじゃない蕎麦屋を作れば、きっと売れる、俺は食べたいと思ったんです」

こうして、まず5店舗オープンしたあと、千葉県市原市に初めて駐車場25台付きの「ゆで太郎」をオープンしたという池田さん。
結果は、目論見通り「うんと売れた」のだとか。
“立ち食い蕎麦”だと駅前やオフィス街などに出店が限られがちですが、“町の蕎麦屋”として“郊外”に店舗を出したところ、朝・昼・夕方と売れるようになって、さらに土日はファミリーや高齢者のお客さまも増えたと言います。

加えて「ゆで太郎」の特長は、味へのこだわり。
「うちは蕎麦を打ってから、3時間寝かせて、だいたい12時間以内に使います。製麺屋に頼めばいいと思いますが、一度試した結果、全然違うね…となったんです」
安くてうまい町の蕎麦屋。消費者側としては有難いお店ですが、お店側としては店舗で製麺しているとデメリットもあるのではないでしょうか?
「例えば家賃、製麺スペースの面積が必要になりますよね。でも、うちは駅前じゃないから、駅前で坪5万するんだったら、離れた場所で坪2万円ですよ。人件費は、別に変わらないですね。朝に売れて、昼に売れて、夕方や夜にも売れるので、アイドルタイムに仕込みをする。だから、短い時間で人を採用しなくていいんですよ。全部フルタイム。正社員率が高いんです」
さらに、メニューにも成功のポイントがありました。
「うちは、フルサイズのカツ丼、フルサイズの蕎麦とのセットも用意しています。やっぱり蕎麦だけでは厳しいので。丼ぶりを付けても、うちは800円程度です。それで丼ぶりがどれくらい売れるかというと、丼ぶりとお蕎麦のセットで半分ですね。そのうちの3割以上はカツ丼かな。だから、定食屋ですよね。町の蕎麦屋っていうのは、日常食のお店ですから。うちは、日常食としての値段やボリュームを踏み外さないようにやっています。で、日常食だからガパオとかはやらないよってこと(笑)」

郊外型の店舗を広げ、製麺を自ら行う、ゆで太郎システムの「ゆで太郎」。
正直、効率が悪かったりしないのか気になるところですが、池田さんがおっしゃるには、むしろ「効率はいい」のだとか。
「原価がめちゃくちゃ安くなりますからね。だって製麺屋さんで作って運んでもらうわけじゃないですから、配送費もいらない。新鮮で美味しくて、安くできる。その代わり、店の面積と設備と教育が必要ってことです」
なるほど~。教育の部分に関しては、先週のお話にあったマニュアル化ですね!
ほかにも、もつ煮やもつ炒めが看板メニューの「もつ二郎」を併設した「ゆで太郎」の成功例や、出店場所の考え方、次なる戦略など、様々なお話を伺うことができましたよ!

最後に、池田さんは、こう締めくくってくれました。
「蕎麦業態は、日本で一番多かったレストランですよ。それが過去20年とかで減っているだけの話。なぜなら、個人の人たちが辞めているんで。ちゃんとやっていれば増えると思います。これまで、やっていなかっただけ。改革していなかっただけです」
蕎麦のお店、ポテンシャルは十分あるようです!
池田さん、ありがとうございました。


★疑問・質問も募集中

この「お店ラジオ」では、三戸政和さんと山本博士さんへのメッセージもお待ちしております。

2人への質問、ちょっとした疑問、相談したいこと、番組の感想・応援・グチなど、何でも送ってきてください^^

メッセージの宛先は、omise@interfm.jp です。

★アーカイブのご案内

radikoのタイムフリー(放送から1週間限定)https://radiko.jp/share/?sid=INT&t=20220130210000

AuDee https://audee.jp/program/show/100000309

Youtube https://www.youtube.com/channel/UCKIaAZrcBJvCTCoBv2K6VLg

Spotify https://open.spotify.com/show/2V2MhGQPxgZ4kE1ibz5r8H

Apple Podcast https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%81%8A%E5%BA%97%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA-supported-by-%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%82%B8/id1593150923?l=en

Google Podcast https://podcasts.google.com/feed/aHR0cHM6Ly9waXRwYS5qcC9yc3MvMDA0?hl=ja

Amazon Music

https://music.amazon.co.jp/podcasts/419a5631-9e6d-4b14-b46d-75d0de56fba5/%E3%81%8A%E5%BA%97%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA-supported-by-%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%82%B8?refMarker=dm_wcp_af_r&ref=dm_sh_xNFkEI6BBsdb59GBCtIzW6BIY&

 

それでは皆様、またのご来店お待ちしております!



コンテンツ一覧

お店ラジオ supported by スマレジ #130 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #130

お店ラジオ supported by スマレジ #129 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #129

お店ラジオ supported by スマレジ #128 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #128

お店ラジオ supported by スマレジ #127 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #127

お店ラジオ supported by スマレジ #126 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #126

お店ラジオ supported by スマレジ #125 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #125

お店ラジオ supported by スマレジ #124 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #124

お店ラジオ supported by スマレジ #123 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #123

お店ラジオ supported by スマレジ #122 音声

お店ラジオ supported by スマレジ #122

おにぎり専門店「まんま」。無いものが売れるのはスニーカーもおにぎりも一緒…? 記事

おにぎり専門店「まんま」。無いものが売れるのはスニーカーもおにぎりも一緒…?

“触られる靴”が売れる?スニーカーショップ「atmos」創設者に聞くブームの裏側 記事

“触られる靴”が売れる?スニーカーショップ「atmos」創設者に聞くブームの裏側

そば業態のポテンシャルは…?「ゆで太郎」が郊外型を広げる理由 記事

そば業態のポテンシャルは…?「ゆで太郎」が郊外型を広げる理由

「ゆで太郎」から学ぶ、職人の技をマニュアル化する方法 記事

「ゆで太郎」から学ぶ、職人の技をマニュアル化する方法

主婦から人気店の経営者へ! 「わざわざ」が山奥でも売れるワケ 記事

主婦から人気店の経営者へ! 「わざわざ」が山奥でも売れるワケ

人と人をつなぎ、最適な物流で美味しさを届ける。 「フード人材バンク」「sakana bacca」とは? 記事

人と人をつなぎ、最適な物流で美味しさを届ける。 「フード人材バンク」「sakana bacca」とは?

水産業界の構造改革をめざして!生産者と飲食店をつなぐ「魚ポチ」という事業 記事

水産業界の構造改革をめざして!生産者と飲食店をつなぐ「魚ポチ」という事業

「手芸センタードリーム」PB商品の裏側。 中小企業の事業承継は長期ビジョンで! 記事

「手芸センタードリーム」PB商品の裏側。 中小企業の事業承継は長期ビジョンで!

全国100店舗以上「手芸センタードリーム」 教販一体とお客さまの利便性とは? 記事

全国100店舗以上「手芸センタードリーム」 教販一体とお客さまの利便性とは?