トリドールホールディングスの「丸亀製麺」。 「集客」という点に執念を燃やし、圧倒的な価値観を提供。
『お店ラジオ』にようこそ！
パーソナリティは、事業投資家の三戸政和さんと、スマレジ代表の山本博士さん。
ゲストは、先週に引き続き、株式会社トリドールホールディングス代表取締役社長 兼CEO、粟田貴也（あわた・たかや）さんでした。
さあ、今週は、いよいよ「丸亀製麺」のお話です！
「丸亀製麺」といえば、国内すべての店舗で「手作り」「出来立て（＝打ち立て・茹でたて）」を提供している、うどん専門店。
粟田さんのお父様の出身地である讃岐うどんの本場・香川の雰囲気を楽しんでもらうために、全店舗でオープンキッチンを採用し、うどんができるまでの全ての工程をお客様に見てもらうスタイルが特長です。
当初はフードコートに多く出店していた「丸亀製麺」。
粟田さんがおっしゃるには、「当時のフードコートは、実演、出来立てを全面に押し出しているような業態はなかった」と言います。
店内に製麺機を置き、作る風情を見せることで、それまでのフードコートに入っている飲食店のイメージを覆し、「顧客の期待を良い意味で裏切る」ことで、「丸亀製麺」は成功をおさめます。
このフードコートでの成功を足がかりに様々な場所へと店舗数を増やしていった「丸亀製麺」ですが、チェーン展開を行ううえで、手間ひまかかる業態は不利だったのではないでしょうか？
「丸亀製麺っていうのは、非常に重たい荷物を担いで歩くような状況でして。製麺機、これが設備投資としてけっこうかかるんですよ。そこに電気代、水道代、ガス代。いわばミニ工場ですから、（一般的な）飲食店の光熱費に比べて倍くらいかかるんですよ。なおかつ、麺を作るわけだから、人件費がかかる。セントラルキッチンを持ってやっている店と比べると相当、分の悪い勝負だと感じます」と、粟田さん。
そうですよね…。セントラルキッチンでまとめて作って各店舗に送るお店と比べたら、効率が悪い気がします。
すると、続けて粟田さんは、こんなお話をしてくださいました。
「チェーン店ではあったけど、1ミリたりとも味が違わないことよりも、手作り・出来立てでやったほうがお客様にとって圧倒的な価値観を感じてもらえると、私たちはそこを信じていましたね。ですから集客ができた瞬間っていうのは、圧倒的な売上につながっていく。そして、すべての固定費が率としては安くおさまって、そこで利益が出てくるということ。“店の都合”だけを優先して考えちゃうと、我々のような業態はまず作れない。やっぱり、どうしたらお客様に来て頂けるか、その“集客”という部分に、ある意味執念を燃やしてやってきた。楽な道は歩いてこなかったなと思います。ただ、それで自分たちだけの世界観を作れたので、遠回りをしているように見えながらも、実はショートカットして早い成功につながったんだな、と思うんですよ」。
設備投資も調理の手間ひまも、確かに大変ではありますが、逆にそれが「丸亀製麺」の強さなんですね！
それでは最後に、いつもの質問です。
「粟田さんにとって、お店とは？」
答えは…「自己表現」。
創業から一貫して、自らが考えている世界観を作ってきた粟田さん。お店は「自分の名刺のようなもの」だと語ってくださいました。
今や国内だけでなく海外でも人気の「丸亀製麺」は、粟田さん曰く「これから先、もっと大きいビジョンを持って事業を進めていっています」とのこと。
さらなる発展を遂げて“世界の丸亀製麺”になる日も遠くないのかもしれません！
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