2020年7月に、リニューアルオープンした、
高知県立足摺海洋館「SATOUMI」。
四国の最南端、太平洋に突き出た足摺半島。
目の前に広がる竜串(たつくし)の海と連動した大水槽や、希少なサンゴやウミガメなど地元の生き物、およそ1万5千点を展示している水族館。
SATOUMIの館長、新野大(にいのだい)さんとは、25年来の知り合いだったことから、
水族館内のBGMに私の曲が使われているんです。
そのご縁から、「SATOUMI」のグランドオープンを記念し、「空へ」を生演奏しました。
他にも、「ナイトコンサート」や「海のピアノ セレモニー」など、 様々なタイミングで生演奏会を開催。
昨年、2022年12月18日には、「西村由紀江SATOUMI サンゴ保全チャリティーコンサート2022」を、開催しました。
このチャリティーコンサートは、竜串湾(たつくしわん)のサンゴを守るために「SATOUMI」が行っている活動を支援するもので、入場料を竜串湾のサンゴを守る活動に寄付させて頂きました。
足摺岬に隣接した竜串湾は、日本一の規模とされているシコロサンゴの群落地で、およそ80種類の色鮮やかなサンゴを見ることができます。
しかし、18年ほど前に発生したオニヒトデがサンゴをエサとして食べてしまい
サンゴの数が減少しています。
黒潮生物研究所によるとオニヒトデを駆除しなければ、
竜串湾のサンゴはわずか5~6年で壊滅的状態になる恐れがあるそうです。
そこで「SATOUMI」では、
入館料の一部をサンゴ保全のため積み立てて、
サンゴの保全活動を行っている「黒潮生物研究所」に寄付をしています。
その保全活動を支援するため、「サンゴ保全チャリティーコンサート」を開催。
コンサートは2部制で、館内の竜串湾大水槽前にてコンサートを行いました。
コンサートの途中で新野館長と、サンゴの役割、現状、保全することの大切さなどトークした後、考えながら聞いて下さいと言って「イマジン」を演奏しました。
チャリティーコンサートの様子は、
「SATOUMI」のYouTube 公式アカウントでご覧いただけます。
今回のコンサートを通してサンゴ礁は地球上で最も重要な生態系の1つだということを感じました。
多くの海洋生物がサンゴ礁に住んでいて、
海の生態系を支える上で基本的な役割を果たしています。
竜串湾(たつくしわん)のように、サンゴを餌としているオニヒトデの大量発生は、九州や四国、紀伊半島沿岸などでも深刻な問題になっています。
オニヒトデ大量発生の原因として、諸説ありますが「人的要因による環境汚染や気候変動」が挙げられています。
また、環境保護団体などの研究によると、世界のサンゴ礁の75%以上が危険にさらされていて、地球温暖化による海水温の上昇が原因の一つとして指摘されているんです。
インド洋や紅海、カリブ海など世界のサンゴ礁では、サンゴが色あせて白く見えるサンゴの白化(はっか)現象が多発していて、日本でも、沖縄や鹿児島を中心に広がりを見せています。
海洋生物たちの住み家となりエサとなっているサンゴ礁。
「海の熱帯林」、「海のオアシス」と呼ばれ、海洋生態系の中で重要な役割を担っているサンゴ礁。
そのサンゴ礁を守るための取り組みは、
日本国内でも多くの企業やNGO、研究機関が行っています。
三菱商事も、社会貢献活動の一つとして、
大学や環境NGOなどと連携して、調査研究への支援を行っています。
世界各国のサンゴ礁を保全することを目指し、
2005年度に「サンゴ礁保全プロジェクト」を沖縄でスタート。
研究への財政的な支援とともに、社内外からボランティアを募集。
調査研究活動への参加を通じて、環境問題への理解を深めるためのプログラムも行っています。
現在は、沖縄、セーシェル共和国、オーストラリアの3拠点を中心に、さまざまな角度からサンゴ礁保全のための研究を展開。
サンゴの白化現象に着目した論文が、
国際サンゴ礁学会から最優秀論文賞を受賞するなど多方面から評価されています。
持続可能な開発目標・SDGsは、
2015年9月の国連サミットで採択されました。
2016年から2030年の15年間で達成するために掲げたSDGs目標は17。
そのSDGs目標14は「海の豊かさを守ろう」です。
海洋汚染を防止し大幅に削減することも重要な課題で、サンゴ礁を守るための海洋環境の保全も大切な活動とされています。
海洋汚染は、サンゴへの被害だけではありません。
サンゴの保全活動は、今の環境問題を知る第一歩なのですね。
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