2024年2月10日

西村由紀江のSmile Wind

先週、私が進むべき道に迷いが生じたときに出会った作品ということで、

アニメーション作家のフレデリック・バックさんが制作した『木を植えた男』について

お話をさせて頂きました。

 
今週は、デビュー前に背中を押してくれたジャズピアニスト、

デイヴ・グルーシンについてお話したいと思います。

 

私のデビューが決まったのが、高校2年の時で1984年でした。

 

当時はインストゥルメンタルのアーチストが少なくて、

ピアニストはクラシックかジャズがほとんどでした。

 

クラシックでもジャズでもない、

オリジナル曲でアルバムを作ろうとしていたんですけど、

果たして聞いてくれる人がいるのか?

どの方向を目指せばよいのか? 不安が大きかったことを覚えています。

 

そんな時にデイヴ・グルーシンのアルバムに出会った。

教えてくれたのはデビューアルバムのプロデューサーだったんですが、

デイヴ・グルーシンのアルバム『Mountain Dance』の1曲目を聞いた時に

衝撃を受けたんです。

 

なんと軽やかで、リリカルで、スタイリッシュなのだろうか、と、、、

 

曲が「音楽って楽しいよ。やってみよう」と声をかけてくれた気がして、

私にとって大きな転機となりました。


ジャズ・フュージョン界の巨匠、デイヴ・グルーシンは、

1934年626日、アメリカ・コロラド州の出身の

ジャズ・フュージョンを代表するピアニストで作曲家、プロデューサー。

 

幼い頃から音楽を学び、コロラド大学でピアノを卒業後、

映画音楽やテレビ音楽を手掛けます。

1967年、映画『卒業』で、ポール・サイモンと共にグラミー賞の最優秀作曲賞を獲得。

 

それ以降、グラミー賞のノミネーション38回、受賞10回。

アカデミー賞のノミネーション7回、受賞1回という、輝かしい実績を上げています。

 

さらには、ジャズ・ギタリストのリー・リトナーや、

サックス奏者の渡辺貞夫さんなどが所属した、

フュージョン、スムースジャズを中心としたアメリカのレコード会社、

GRPレコードの創設者で社長も務めていました。

 

デイヴ・グルーシンが携わった映画音楽は、60本以上。

 

有名なのは、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『恋に落ちて』や

ロバート・レッドフォード主演の映画『コンドル』のテーマ曲「コンドル」

そして、ヘンリー・フォンダ主演の映画『黄昏』のテーマ曲「Golden Pond

 

初めてグルーシンのコンサートに行ったのは大学1年生の時。

東京に出て間もなくだったので、都会の真ん中で、

スーパースターが目の前で演奏してくれている興奮と感動を今でも忘れられない。

 

何度となくコンサートに行っているが、最近行ったのは昨年の秋。ブルーノート東京。

89歳とは思えないピアノタッチ、テクニック、そして変わらない独特のグルーブと「間」

鍵盤の見やすい席をとり、食い入るように見ていた。

 

昨年のクリスマスツアーでは「木を植えた男」を紹介、

自分の道を貫く尊さに感動した話をしたが、グルーシンもまさにそう。

89歳になっても、今なお自分の道をまっすぐに貫き、みずみずしい音を奏でていた。

感動で波があふれてきた。

 

私が特に好きなデイヴ・グルーシンのアルバムは、

Mountain Dance」と「Harlequin

独特のグルーヴ感があり、遊び心満載、でもベースにクラシカルな重厚さを感じる。

 

1番好きなのは、映画『コンドル』のテーマ曲。

「間」のとり方が絶妙でアレンジもオシャレ。

ちなみに、映画もオススメ。ロバート・レッドフォードがかっこよすぎる。

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