2023年5月27日

西村由紀江のSmile Wind

今年の2月に94歳でこの世を去った、

20世紀を代表するポピュラー音楽の作曲家、バート・バカラック。

 

はじめに、バート・バカラックが好きになったのは中学生の頃。

Close To You」でした。

出だしのメロディの意外さに衝撃を受けました。


みなさん、聞き馴染みのある曲だと思います。

なぜ、衝撃を受けたかというと、、、

バカラック、歌の曲の特徴は、間が、かなりあること。

 

映画「明日に向かって撃て!」の挿入曲として「雨に濡れても」が大ヒット。

 

「明日に向かって撃て!」は、19世紀末のアメリカに実在した銀行強盗、

ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドという2人のアウトローを描いた映画で、

反体制的な若者たちの生き方を新しい感覚で描いた、

アメリカン・ニューシネマの代表作としても知られています。

 

ポール・ニューマンとキャサリン・ロスが、

自転車に乗って走る牧歌的なシーンで「雨に濡れても」が使われました。

 

実は映画会社の重役たちから猛反対、危うく曲がボツになるところだったんです。

理由は、「雨に濡れても」という曲なのに使うシーンがピーカンだったため。

でも、監督の強い意向で使われることになりました。

 

ポール・ニューマンがサドルの上に腹ばいになったり、

片足を乗せてサドルの上に立ったりといった曲乗りを見せる長いシーンで、

ほぼセリフがなく「雨に濡れても」が流れているだけ。

監督がいかに曲を気に入っていたか伝わります。

 

また、「雨にぬれても」は観客にも支持され、

ビルボードの年間チャートでも1位となる大ヒットを記録。

42回アカデミー賞では、作曲賞と主題歌賞に選ばれました。

 

 

1928年、アメリカ、ミズーリ州カンザスシティで生まれたバート・バカラック。

 

60年代前半から80年代にわたり、BJ・トーマス、カーペンターズ、

ディオンヌ・ワーウィック、トム・ジョーンズなど、多くのアーティストにヒット曲を提供。

 

親しみ易いのに、転調や変拍子を多用した作曲技術は、

「バカラック・サウンド」と呼ばれる独自の音楽スタイルを確立。

 

作曲家としてだけでなく、

指揮者、編曲家、プロデューサーとしても優れた才能を発揮しました。

 

カーペンターズが歌うバカラックメドレーが圧巻。

7曲をカレンがドラム叩きながら歌う動画があるんですが、

野外で歌っていて聴衆はすぐそば。

好きな曲が流れると拍手で盛り上がったり、演奏環境としてはかなり厳しい。

バンドメンバーで合図を出す人もいないのに、カレンは軽く歌っているんです。

しかも、完璧に。

 

カーペンターズもバカラックの曲に惚れ込んでいたのだろうと思えます。

 

 

カーペンターズが歌ったメドレーの中には

坂本龍一さんが好きなバカラックの曲も入っていました。

 

Make It Easy On Yourself」、ロマンティックで素晴らしい曲。

 

バカラックの曲はポップでありながらクラシカル。時にオペラのよう。

メロディは、どちらかというと覚えにくい。

ポップで歌いやすいようにハードルを下げていない上、

次々と転調したりコードもかなり難しい。

芸術家としてのプライドのようなものを感じます。

 

2014年に、NHKホールでバカラックのコンサートを観ました。

 

6回、日本で公演を行いましたが、最後の来日公演。

2020年も来日を予定していましたが、コロナで叶いませんでした。

 

オーケストラのゴージャスなアレンジを、最小限の身振りで指揮してピアノを演奏、

かっこよかったです。

 

名曲「アルフィー」もバカラック自身が歌ってくれまた。

 

 Kaze2022_0220.jpg



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