防災 FRONT LINE

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阪神・淡路大震災では「避けられた災害死」が約500人…その教訓を活かして誕生した「DMAT」とは?

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。1月27日(土)の放送では、看護師による「被災地医療支援」について取り上げました。


※写真はイメージです



今回お話を伺ったのは、東日本大震災や熊本地震をはじめ、国内外36の被災地で医療支援・救助活動をおこなってきた国際災害レスキューナースの辻直美(つじ・なおみ)さんです。

辻さんによると、日本には災害に関わる2つ看護師の仕事があるそうで、「1つは、いわゆるDMAT(災害派遣医療チーム)と言われる“災害ナース”という仕事です。災害が起きてから48時間以内に現地に入り“命のレスキュー”をおこないます。看護師だけでなく、医師や臨床学の方、事務の方などが1つのチームになって(現地に)入ります」と説明。

そして、もう1つは“災害支援ナース”という仕事で、「災害が起きてから72時間以降に現地に入り、あくまでも現地の医療機関のサポートをするのがメインですが、医療者も被災していますし、病院が壊滅している可能性もあります。その場合は、我々(サポート)の部隊がそのまま病院の機能を請け負うことになり、被災者の方々の命を助ける仕事をします。1ヵ月のあいだ、現地に滞在して活動します」と解説します。

DMATが作られたのは阪神・淡路大震災がきっかけですが、災害ナース、災害支援ナースとして活動してきた辻さんも、阪神・淡路大震災の被災者の1人です。

震災当時について、「結局、うちは全壊してしまったので、その時点で思い出もすべてなくなりました。そして、自分も被災しているけれども、勤めている病院に行かなければならない。電気もガスも動かず、水が漏れっ放しのなか、患者さんを助けなければならないんですけど、スタッフがまったく動けなかったんです。まずスタッフが来ないし、資材も少ない。“そんなときにどうすればいいのか”という知識もなければ経験もないので、目の前のことを必死にやるしかなかったです。防災訓練も真剣にやってきたけれど、実際に起きたら何も動けなかった」と振り返ります。

阪神・淡路大震災では、初期の医療体制が遅れたことなどから、助けられた命が助けられなかった“避けられた災害死”が約500人いたと、後になって報告されています。この教訓を活かして誕生したのがDMATです。今年1月1日(月・祝)に起きた能登半島地震でもDMATが救助活動などをおこない、災害支援ナースが被災地で医療支援をおこなっています。

能登半島地震からまもなく1ヵ月。辻さんは避難生活が長期化するなかで、衛生環境やいつもと違う状態で暮らすことによるストレス、持病の悪化などが心配される時期だと話します。それらを少しでも軽減するためには、被災者が“自分たちで暮らしていく”という基盤を徐々に作ることが求められます。

私たちにできる支援の1つが「募金」です。TOKYO FMをはじめとするJFN38局では、石川県能登地方を震源とする地震で被災した皆さまを、救済、支援するための「JFN募金」を受け付けています。皆さんから寄せられた募金は「JFN募金」事務局が取りまとめて全額を被災地に送り、被害に遭われた方の救済、支援活動に役立てられます。ぜひご協力ください。



辻さんの著書「地震・台風時に動けるガイド 大事な人を護る災害対策」(学研プラス)では、家族を護る自宅の防災について紹介されています。

<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

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