この番組では、防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は荒川区です。
荒川区には、どのような防災上の特徴があるのか防災課長に伺いました。
木造住宅密集市街地が、かなり広範囲に存在しているというのが特徴。
そのため、大きな地震が発生した場合、建物の倒壊、火災の延焼が大規模に発生する危険性があります。
もう一点、人口密度がかなり高いということがあります。
全国約1,700の自治体の中で3位と、かなり人口が高度に密集している地域です。
もう一つは水害。もし荒川が氾濫した場合、
区内の約9割が浸水の可能性があるため、水害の面でも注意が必要です。
地震と水害の両面で注意しておかなければならないというのが荒川区の特徴です。
中でも、木造住宅が密集して立ち並ぶ地域が非常に多く、独自の助成制度も用意しています。
まずは火を出さない。火災を起こさないということが非常に大切だと考えています。
過去の大地震では、原因が判明している火災の約6割が「電気火災」。
これは、たとえば電気ストーブが倒れた状態で大地震が発生。
そこで停電が起こり、その後、電気が戻った際に電気ストーブから火災が発生するというメカニズムです。
これを防止するためには、地震の際にはブレーカーを落として避難する必要がありますが、
それができない場合もあるため、荒川区では、大きな揺れを感じると自動的に電気を遮断する
「感震ブレーカー」の設置について助成制度を設けて設置を推進しています。
特に高齢者、障がい者のいる世帯には無料で配布する事業も実施しています。
感震ブレーカーを備えることは、
自宅だけでなく地域を火災から守ることにつながります。
そのためにも助成制度を活用してほしいと話していました。
そして、人口密集率が非常に高いという荒川区、
災害が起きると避難所に多くの人が集まってしまい、
新型コロナウイルスなどの感染症が流行している場合、感染リスクも高めてしまう恐れがあります。
可能な限り在宅での避難生活をしてもらうために、
荒川区では、
家の耐震化や
家具の転倒防止対策にも助成制度を設けています。
また、水害にも十分な注意が必要という荒川区では
緊急時の情報伝達に力を入れています。
防災無線や区のホームページはもちろん、
ツイッター、
フェイスブックといったSNSや防災アプリ、
エリアメール、テレビのdボタンなど様々な方法で情報を伝えています。
災害情報や避難情報をいち早く入手できるよう、
避難方法や避難場所などと併せて、日ごろの対策として確認しておいてください。
◎荒川区防災HP
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/bousai/index.html#a76