防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は葛飾区です。
区の危機管理課長は、このように紹介してくださいました。
葛飾区は川に挟まれています。とくに荒川、中川、江戸川などの大きな河川に囲まれた、平らで標高の低い土地です。
洪水による浸水リスクの高い地域ですが、普段は川に親しんで子どもたちから高齢者まで楽しんでいただける場所です。
人口は約46万人、高齢化率(65歳以上の方は)約24.5%ということで少し高くなっているのが特徴ですが、
下町気質ということで、寅さんの街でもありますので、隣近所がお互いに助け合おうという気質は今も残っています。
また、外国人もここ最近は2万人ほど住んでいて、
(2019年)台風19号の時には日本人だけでなく外国の方も毛布を運んでくださって非常に助かりました。
ぜひとも今後も外国人の方々と一緒に災害も協力できたらと良いと思っています。
とくに水害への対策に力を入れなければならない葛飾区では、さまざまな取り組みを進めています。
そのひとつが、防災行政無線の内容を確認できるスマホ用のアプリ「
かつラッパ」です。
雨や風が強いと屋外のスピーカーの音が聞き取りづらくなりますが、
このアプリは防災無線の内容を、音声と文字で、日本語だけでなく、英語、中国語、ハングルでも確認できます。
そして、台風や大雨のさなか、川の様子を見に行かなくても済むよう、
区独自の河川監視カメラの設置計画も進めています。
また、避難所でも情報を入手しやすいよう学校避難所にはWi-Fi環境を整備。
スマホ充電用のマルチチャージャーや、大型テレビも備蓄しました。
学校避難所の運営は、区の指定職員と地域の自治町会の方が協力して行うのが基本ですが、
慣れていない人でもスムーズに避難所を開設できるよう、写真なども使ってマニュアルを解りやすくまとめています。
そして、水害において何より大事なのが、自分のいる場所の危険度を知ることです。
川に囲まれた葛飾区では、荒川・中川・江戸川のどの川が氾濫するかで、
浸水する地域も違いますし、逃げる方角や逃げ方も変わります。
水害ハザードマップの説明会を、5月・6月に地区センター等でやっていきたいと思っています。
そうした機会に行けなかったという方は、区役所に連絡していただければ、職員が現場に出向いて説明したいと思っています。
葛飾区の水害ハザードマップは、解説も交えたかなり詳しい内容となっていますので、ぜひ確認しておいてください。
一方で、地震に備えた取り組みも行っています。
葛飾区の特徴として、木造密集地域といって家が非常に密集している地域があります。
地震が起きると火事等も発生する可能性があるため、今、まちづくり(を進めています)。
密集市街地の狭い道を、消防車が入れるよう(な道)に広げていこうということで、
皆さま方のご協力を得ながら用地買収も進めてさせていただきますので、今後も協力いただけると思っています。
また、不燃化(対策として)、火事を起こさないために建物を燃えにくくしたり、感震ブレーカー(を設置したり)、
耐震の面では家具の転倒防止をしたりということへの(補助)制度も用意しているので、ぜひ活用してください。
地震への備えに対する補助制度などについては、
区のホームページで詳しく案内していますので、こちらもぜひ確認してください。
≪関連リンク≫
・葛飾区 防災・防犯HP
https://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000063/index.html