防災 FRONT LINE

防災 FRONT LINE

記事コンテンツ

【東京23区】新宿区 ~ マンション防災の促進に注力。自主防災組織に防災用の資機材を現物支給

毎週土曜日オンエア「防災FRONT LINE」のスピンオフ版。
東京23区の防災の取組みを、各区ごとにピックアップして紹介します。

防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。

今回は新宿区です。
新宿区は、ターミナル駅と繁華街、オフィス街、住宅地と、様々な面を持っていますが、
まず、新宿区に“住んでいる人たち”に向けた対策について危機管理課長にお話しいただきました。

新宿区の人口が35万人近くいる中で、約8割がマンションなどの集合住宅に住んでいます。
マンションに住んでいる方々が災害時に一斉に外に飛び出したり、避難所に向かったりすると、
たいへん混雑・混乱しますので、マンション内でしっかり防災対策をとっていただきたい(と考えています)。
そのため区では、マンションの管理組合等を単位とした自主防災組織の結成の促進に取り組んでいます。
自主防災組織を結成していただくマンションに対して、
災害時に必要となる防災資機材、例えば、小型発電機や組み立て式のトイレ、
エレベーター内に災害用キットを設置するためのキャビネットなど、20万円を上限に助成しています。


区が選定したマンション防災用の資材・機材のカタログが作られていて、
そこから選んだものを現物支給する(マンション自主防災組織防災資機材助成)事業を行うなど、
新宿区ではマンションの防災対策に力を入れています。

一方、夜間人口およそ35万人に対して、
通勤・通学者などを加えた昼間人口は77万人余りと倍以上に膨れ上がります。
そこで課題となってくるのが、帰宅困難者対策です。
こうした人たちが一斉に帰宅しようとするのを抑制するため、
企業や学校などに対して、関係者が2~3日過ごせるよう備蓄を促す一方、
新宿駅周辺では、商業施設や地下街、ホテルなど、およそ100の企業・団体が参加して
帰宅困難者対策の協議会を作り、訓練や防災セミナーなども行っています。

そして、区の人口の12%を占め、135か国以上、4万人強にのぼる外国人を対象とした支援や、
女性の目線を取り入れた避難所の運営にも力を入れています。

たとえば、ワンタッチ式のテントがあればそこで授乳ができるんじゃないかとか、
学校の備蓄倉庫には紙皿が備蓄しているが、一回使ったら捨ててしまう。
そこにサランラップをかぶせたら何度も使えるんじゃないかとか、いろんな意見をいただきました。
そういったものも備蓄物資の充実の中で、出された意見・要望についてはすべて配備しています。
(また、)アレルギーの問題もあります。
国が定める27品目を使用しないアレルギー対応のリゾットなども配備しました。


このほか、家の中の家具の転倒防止器具や、
地震の揺れを感知して電気を止める感震ブレーカーなどへの助成も、もちろん行っています。

また、大きな川がないからといって、新宿区に水害のおそれがないわけではありません。
神田川、妙正寺川といった河川の氾濫だけでなく、
大雨が集中的に降って下水の排水能力を超えてしまった場合に起こる、
都市型の水害にも気を付けなければなりません。
浸水やガケ崩れなど、自分の住んでいるところにどのような危険があるのか、
ハザードマップで確認しておく必要があります。

災害は、日ごろの対策でリスクを下げられる。
万が一のことが起きて後悔につながらないよう、
やれることはやっておきましょう、と、今回取材した危機管理課長は言います。

いつ来てもおかしくない首都直下地震や豪雨災害から命を守っていただきたい。
聞きたいな、ちょっと勉強したいな、ちょっとこいうことがわからないんだけど・・・。
そこはもう遠慮なく気軽に、新宿区の危機管理課へ、電話でもメールでも何でもよいので
問い合わせいただければ、丁寧にわかりやすく説明させていただきたいと思っています。


まずは地元の自治体に尋ねてみる、というのも、自ら取り組む防災の第一歩と言えます。

≪関連リンク≫
・新宿区 防災HP
https://www.city.shinjuku.lg.jp/anzen/index03.html

コンテンツ一覧

3つのタイプの地震 音声

3つのタイプの地震

17日水曜日の愛媛・高知の地震 ~専門家の解説~ 音声

17日水曜日の愛媛・高知の地震 ~専門家の解説~

熊本地震からまもなく8年 音声

熊本地震からまもなく8年

4月3日に発生した台湾東部の地震 音声

4月3日に発生した台湾東部の地震

ご家庭でできる水の備え 音声

ご家庭でできる水の備え

能登半島地震 被災地の声 ~輪島の海女さん 音声

能登半島地震 被災地の声 ~輪島の海女さん

津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト 音声

津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト

東日本大震災から13年 ~被災地復興の今~ 音声

東日本大震災から13年 ~被災地復興の今~

車中泊をせざるを得ない時に気をつける事 音声

車中泊をせざるを得ない時に気をつける事

亡くなった方の約8割が「災害関連死」…発生から8年が経過した「熊本地震」を振り返る 記事

亡くなった方の約8割が「災害関連死」…発生から8年が経過した「熊本地震」を振り返る

「東日本大震災」で得られた“経験”“教訓”が薄れている? 冊子「津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト」で命を守る方法を再確認 記事

「東日本大震災」で得られた“経験”“教訓”が薄れている? 冊子「津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト」で命を守る方法を再確認

台湾で「最大震度6強」の地震が発生…地震の多い台湾と日本の“共通点”とは? 記事

台湾で「最大震度6強」の地震が発生…地震の多い台湾と日本の“共通点”とは?

水道水を備蓄するとき「煮沸」しなくても良い!?もしもの「在宅避難」のために“家庭でできる水の備蓄法”を解説 記事

水道水を備蓄するとき「煮沸」しなくても良い!?もしもの「在宅避難」のために“家庭でできる水の備蓄法”を解説

能登半島地震“被災地の声”「海女さんにも仕事を与えてほしい」石川県・輪島市在住のベテラン海女が切実な思いを語る 記事

能登半島地震“被災地の声”「海女さんにも仕事を与えてほしい」石川県・輪島市在住のベテラン海女が切実な思いを語る

東日本大震災から13年…福島・双葉町はようやく「復旧から復興のステージに」被災地のいま 記事

東日本大震災から13年…福島・双葉町はようやく「復旧から復興のステージに」被災地のいま

「100円ショップ」の商品でも対応可能!すぐに始められる「防災対策」とは?専門家が解説 記事

「100円ショップ」の商品でも対応可能!すぐに始められる「防災対策」とは?専門家が解説

「エコノミークラス症候群」に要注意…災害時“車中泊”をせざるを得ない場合に気をつけるべきことは? 記事

「エコノミークラス症候群」に要注意…災害時“車中泊”をせざるを得ない場合に気をつけるべきことは?

“能登半島地震”被災地のリアルな声を紹介「早く輪島朝市が復興して、また働けるようになれば…」 記事

“能登半島地震”被災地のリアルな声を紹介「早く輪島朝市が復興して、また働けるようになれば…」