防災をより身近なものとしてとらえるために、
東京の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は墨田区です。
まず、区の特徴について防災課長に伺いました。
墨田区は、隅田川や荒川をはじめ大小8河川が流れ、周囲の多くを水辺に囲まれています。
区の名称は、墨堤と隅田川に由来するとおり、
春は墨堤の桜、夏は隅田川の花火と、区を代表する風物詩が隅田川沿いで行われるとともに、
東京ミズマチと隅田公園は連日多くの方々で賑わっています。
また、荒川の河川敷では一年を通じてスポーツを楽しむ方がいるなど、たくさんの方が水辺に親しんでいます。
一方で近年、大規模な水害が増え、水害の危険性が高まっています。
墨田区では、高潮と、荒川の氾濫、大雨による内水氾濫の危険があり、区内の大部分が浸水する想定です。
この水害から身を守るためには、まず「墨田区水害ハザードマップ」の確認をお願いします。
ハザードマップの確認のポイントは、
・自宅がどのくらいの深さまで浸水するか
・それは自宅の何階に相当するのか
・浸水はどのくらいの期間続くのか
の3つです。
荒川が氾濫するような場合には、水が引くまでの2週間以上、電気・ガス・水道が使えなくなる可能性があるため、
区外の安全な場所へ避難する「
広域避難」が必要ですが、
荒川氾濫の可能性が低い場合などに、自宅で安全が確保できる方は、必ずしも避難所へ行く必要はありません。
水害や地震の際どのように避難するか、家族などと相談して決めておくことが大切です。
水害ハザードマップや地震に備えるための
防災パンフレットは、区のホームページで見ることができます。
そして災害時の情報は、防災行政無線のほか、
区のホームページや
メールサービス、
ツイッターや
フェイスブック、テレビのdボタンなどでも入手できます。
様々な経路での情報入手を準備しておきましょう。
スマホやタブレット向けのアプリ「
墨田区防災マップ」も今からダウンロードしておくと便利です。
ところで墨田区では、災害への備えとしてこのような独自の取り組みも行っています。
災害時の共助の中心を担う住民防災組織である町会や自治会の、高齢化がどんどん進んでいるということと、
区内に勤務地がなく(区外で働く大人が多くなってきたため)、昼間の人手が足りないという状況がありました。
そこで区では、若い世代の掘り起こしが必要だと考え、
中学生を中心に、各校に自主防災組織を作ってもらうという取組を行っています。
活動に必要な資機材と物資の支給を行うとともに、希望者には上級救命講習を受けてもらっています。
また、すべての中学一年生に普通救命講習を受講してもらうという取組もしています。
さて、地震への備えについて、墨田区は、関東大震災で最も激しく被害を受けた経験から、
全国に先駆けて、不燃化事業=地震で燃えにくいまちづくりを進めてきました。
事業の開始からおよそ40年を経て、区全体の不燃化率は70%を超えていますが、
区の北部には、せまい路地や古い木造住宅の密集地域が今なお残っていて、不燃化率は低いままで、
現在も、区の最重要課題として取り組んでいます。
不燃化や耐震化などに関しては、助成金の対象となる場合もありますので、
区のホームページなどで確認してみてください。
≪関連リンク≫
・墨田区 防災・安全安心情報
https://www.city.sumida.lg.jp/anzen_anshin/index.html