防災をより身近なものとしてとらえるために、東京やその周辺の各自治体の防災の取組みについてお伝えしています。
自治体ごとの防災対策は、それぞれの地域の特徴や注意すべき点などを踏まえて、
さまざまな独自の取り組みが行われています。
今回は多摩市です。
防災上、特に注意しているポイントについて防災安全課の防災担当係長にお聞きしました。
多摩市は北側に多摩川が流れていますので、やはり多摩川の洪水というのを注意してみています。
令和元年の台風19号の際にも多摩川の水位が大きく上がって、
避難所に2,500人ほどが避難するような状況になったのですが、
一部の避難所に避難者が集中することがありましたので、なるべく一つの避難所に集まらないように、
いろいろな避難所に分散して避難できるようにしていくというのが現在の課題だと考えています。
多摩川の支流の大栗川と乞田川も市内を流れていて、
浸水が想定される地域や土砂災害警戒区域、早いタイミングから避難する必要があるエリアもあります。
多摩市が作っている
洪水・土砂災害ハザードマップで、
身の回りの危険や、どこに避難所があるかなどを普段から確認しておいてください。
こうした特徴を踏まえて、多摩市ではこのような取り組みも行っています。
水害時の避難者の集中を避けるために、避難所の混雑状況をWEBで判るシステムというのを入れていて、
「混雑」とか「満」といったことを見られるようになっていますのでぜひ活用してください。
(また)
Youtubeを活用して、水害時の避難要領や避難所の開設要領などの動画を配信していますので、
今後の防災活動やご自身の避難などに繋げていただければと思っています。
水害へのリスクが高い地域だけにさまざまな取組みを行っていますが、一方で地震への状況についても伺いました。
多摩ニュータウンが南にありますが、ニュータウン地域は鉄筋コンクリート造りの集合住宅が多いので、
その地域での(建物の)倒壊というところ(心配)は少ないのですが、
既存地域と呼ばれるようなもともと古くからあるようなまちには、
ブロック塀など危険なものが一部にありますので、そのあたりの撤去や安全化を今後進めていくところです。
また、災害が起きた時の市民への情報発信もさまざまな手段で伝えられるよう対策を講じています。
防災行政無線がありますが、とくに大雨の時にはなかなか聞き取れません。
最近は建物も鉄筋コンクリート造りなど気密性が高くなっていて、家の中では聞き取れないところもありますので、
WEBや電話で防災行政無線の放送内容を確認できるものも配備していますし、
LINEの多摩市公式アカウントで防災情報を配信しているのと
Yahoo!の防災アプリでも防災情報を発信しています。
また
登録制のメールも併せて、いろいろなツールを使って市民のみなさまに情報を発信しています。
このほか、ケーブルテレビの
多摩テレビと協定を結んで災害情報などを伝えられる体制もとっています。
災害時は、いち早く正確な情報を入手することが、あなたやあなたの家族の命を守ることに繋がりますので、
ぜひ複数の経路で情報をキャッチできるよう準備しておきましょう。
≪関連リンク≫
・
多摩市 防災HP