今回は国分寺市です。
まず、地域の防災上の特徴について、防災安全課長に伺いました。
国分寺市は東京都のほぼ中心に位置していて、
武蔵野台地と呼ばれる平らな台地と、野川上流の谷で構成されています。
特にこの谷の部分は、「はけ」と呼ばれる崖線「国分寺崖線」が市内を通っていて、
土砂災害警戒区域が設定されていたり、浸水危険区域があったりしますので注意が必要です。
また、市内の建物の特徴としては、木造住宅が78.2%となっていて木造住宅の密集地域もあり、
大地震が起きた場合など火災が発生しやすい地域がありますので対応が必要となっています。
また、JRの国分寺駅は、JR中央線32駅のうち乗降客数が6番目に多く、
東日本大震災のときも多くの帰宅困難者が発生したということで、こうしたことにも備える必要があります。
このように同じ市内でも防災上の注意ポイントがさまざまな国分寺市では、
どのような取組みをしているのでしょうか。
国分寺市では、特徴的な事業として「防災まちづくり学校」という事業があります。
これは市民の方にご参加いただいて、1年かけて防災の知識を学んでいただき、
修了した方に対しては、市長から「防災推進委員」に任命していただく制度です。
この防災推進委員は、各地域のリーダーとなって活動していただくことになりますが、
その地域で防災に関する組織が出来てきた場合、
その地域と国分寺市が「
防災推進地区」の協定を締結して活動していただいています。
この「防災推進地区」については、コンサルタントを3年間派遣して、
地域の方で自分たちの街を歩いていただいたり、特徴的なことを勉強していただいて、脆弱性を発見していただく、
こういったことに基づいて、それぞれの地域の地区防災計画を作っていただいています。
防災計画ができあがって地域の活動が始まると、
防災用の備蓄倉庫や、中に入れる資材・器材が、市から支給されるとのことで、
住民がみずから、自分たちの地域を知り、防災の計画を立て、それを市がバックアップするという、
市民による「自助」「共助」と自治体による「公助」がうまく支え合うかたちができています。
このほか、国分寺市では、地震による火災の対策として
感震ブレーカーを無料で支給しています。
これは通電火災といって、大地震で停電になった後、再び電気が通じた時に
家電製品などから火が出て火災になるのを防ぐために、
地震の大きな揺れを感知して自動的に電気を遮断するもので、
木造住宅密集地域などに住む人や高齢者を対象に無料で支給しています。
また、地震や水害などの災害時に市民に正確な情報を受け取ってもらうため、
メール配信サービスで情報提供をしています。
デマや不確かな情報に惑わされないよう、ぜひ登録しておいてください。
ほかにも、
ツイッターの国分寺市公式アカウントや、
携帯キャリアが提供するエリアメールでも市の情報を受け取れますし、
防災行政無線の内容を電話で確認できるサービスもあります。
市が協定を結んでいる「
Yahoo!防災速報アプリ」をスマホにダウンロードしておけば、
情報がプッシュで届くので安心です。
災害時の情報入手の経路は複数準備しておくようにしましょう。
そして、土砂災害や浸水など、どのような危険が身の回りにあるかや、避難場所がどこかといったことは、
防災・ハザードマップで確認しておいてください。国分寺市のホームページでも閲覧できます。
≪関連リンク≫
・
国分寺市 防犯・防災HP