今回お話を伺ったのは、鈴木酒造店の社長で杜氏の鈴木大介さんです。
元々は福島県双葉郡の浪江町にあった酒蔵。
請戸漁港の近くにあり「日本一海に近い蔵」と言われていましたが
東日本大震災の津波で失われてしまいます。
原発事故の避難指示により「蔵」も「故郷」も失った鈴木酒造店は
縁あって避難先の山形県で酒造りを再開。
「いつの日か再び、故郷の浪江町で酒造りをしたい。」という想いを抱き続け、
3年前に浪江町での酒造りを復活させました。
そんな鈴木酒造店の代表銘柄は「磐城壽 (いわきことぶき)」
請戸漁港は白身魚が多くあがる港です。
「ぬる燗で淡白な白身魚の旨味を楽しみ尽くす」をコンセプトに作られています。
さらに、季節限定のお酒も製造していて
新たにコスモスを使った商品が完成しました。
原料となるコスモスは、浪江町の震災以降に植えたものが
昨年の秋に咲き、その花から酵母を抽出して作られています。
「震災前の状態はまだまだ取り戻せていませんが、
浪江素材のものを使うことで、できることがあればと思っています。」と話す鈴木さん。
浪江に戻って3年。
浪江での酒造りの感覚を取り戻せている実感があり
農家や生産者との交流も生まれ手応えを感じています。
「お酒は人を繋ぐ飲み物。
飲んでしまうとなくなってしまうけれど、人の輪を作るきっかけになれば」と話します。
将来は地域を代表するお酒になるということを胸に、酒造りに勤しむ鈴木さんです。
浪江の美味しいものを食べてもらうことが、地域を理解してもらえる。
そういったイベントを続けて、「食べてわかる浪江」を伝えていきたいと話してくださいました。
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株式会社鈴木酒造店
旧住所:〒979-1522福島県双葉郡浪江町大字請戸字東向10
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